阿武隈山地を東西に貫く一本の幹線道路が住民の期待を背負い開通した。東北中央自動車道「相馬福島道路」の相馬山上-相馬玉野インターチェンジ(IC)間(阿武隈東道路)が開通した26日、沿線住民は「復興に弾みがつく」「移動が楽になる」と歓迎した。
相馬市馬場野の会社員泉田公世さん(40)は月1回程度、福島市に買い物に行く際、115号国道を利用してきた。ただ、道幅が狭く不便を感じていた。初日に阿武隈東道路を利用し「車線が広く、中央分離帯が丈夫に造られている。安心して運転できた」と喜んだ。
相馬市の玉野小を卒業した千葉竜司君(12)は「これまでの道路はカーブが多いので(運転する)お母さんが怖がっていた。今度は時間も短くなりうれしい」と笑顔で語った。
■地方創生に取り組みたい 立谷市長
開通式では石井啓一国土交通相、今村雅弘復興相、内堀雅雄知事、立谷秀清相馬市長や地元の小中学生らがテープカットし、くす玉を割った。
あいさつした相馬市の立谷市長は「開通は相馬地方の長年の悲願だった。地域を挙げて復興や地方創生に取り組みたい」と述べた。
相馬商工会議所の草野清貴会頭は東北中央自動車道で結ばれる相馬、福島、米沢の3商工会議所が連携し、観光振興や交流促進に取り組む考えを示した。
(カテゴリー:福島第一原発事故)