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常磐線 浪江-小高間再開 富岡でバス運行開始

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で運転を見合わせていたJR常磐線の浪江-小高駅(南相馬市)間8.9キロは1日、運転を再開し、6年ぶりに双葉郡と相馬地方が鉄道で結ばれた。浪江町に続き居住制限と避難指示解除準備両区域が解除された富岡町では、いわき市への路線バスや町内循環バスが運行を開始した。双葉郡南北の交通の利便性が高まることで今後、住民帰還への受け皿整備が進むと期待される。

■帰還へ受け皿整備期待
 浪江-小高駅間の運転は浪江町の居住制限、避難指示解除準備両区域が3月31日に解除されたのを受け再開された。一日に上下線合わせて22本を運行する。
 浪江町では生活インフラの整備が進められているが、震災前にあった大型商業施設や入院機能を備えた医療機関は再開していない。両駅間の運転が再開されたことで、帰還した町民が南相馬市や相馬市、仙台市などの病院や商業施設に行きやすくなる。近隣自治体にある高校への通学手段も確保され、町は子どもを持つ世帯の帰還にもつながるとみている。
 富岡町でバスの運行が始まったのは、町といわき市を結ぶ「急行いわき-富岡線」と、町の復興拠点内を巡る「富岡町内循環線」、拠点外にある自宅と拠点内を行き来する町民専用デマンドバス。
 いわき-富岡線は一日に往復6便を運行する。広野町や楢葉町の役場前など13カ所で停車する。循環線は富岡駅前や複合商業施設「さくらモールとみおか」、医療機関、金融機関など延べ17カ所を回る。デマンドバスの利用は無料で、乗車時に町発行のパスを提示する。
 路線バスやデマンドバスは、帰還した町民のうち、車を運転できない高齢者らが町内や浜通り南部に移動する際の交通手段としての役割を担う。
   ◇  ◇ 
 常磐線原ノ町駅(南相馬市)発の上り一番列車が1日午前6時27分に浪江駅に到着すると、多くの利用者が乗降し、ホームは活気に包まれた。
 鉄道やバスの運行開始で双葉郡の交通の利便性は高まった一方、課題も残る。JR東日本は不通区間の竜田(楢葉町)-浪江駅間で列車代行バスを運行しているが、この区間を通るのは一日4本にとどまっている。また、現状では浪江町内を巡るバスやタクシーはなく、住民からはさらなる交通網の充実を求める声が出ている。

■31年度末まで全線開通
 常磐線の浪江-小高駅間の運転再開に伴い、不通区間は竜田-浪江駅間の27.7キロとなった。
 このうち竜田-富岡駅間の6.9キロは今年10月ごろ、富岡-浪江駅間の20.8キロは平成31年度末までの再開を予定している。

カテゴリー:福島第一原発事故

JR常磐線の浪江―小高駅間が6年ぶりに運転を再開し、浪江町内を走る上り一番列車。右奥の白い建物は浪江高=1日午前6時26分

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