台湾の台北愛楽管弦楽団は22日、飯舘村民が居住する福島市の松川工業団地第一仮設住宅で演奏を披露し、村民を励ました。
弦楽奏者の4人がビバルディの「四季」などのクラシックやアニメ映画「となりのトトロ」のテーマ、イタリアや台湾の民謡などを響かせた。台湾の人形劇団・華洲園掌中劇団が共演し、「四季」の演奏に合わせて伝統の人形演芸を繰り広げた。
仮設住宅の木幡一郎自治会長(80)は「はるばる海を渡ってきて励ましていただき、感謝している」と話した。
台北愛楽管弦楽団は21日、福島市音楽堂で開かれた日台友好親善コンサートに出演した。コンサートは福島ロータリークラブを中心とした実行委員会などが主催した。
■台北駐日代表迎えて懇談会
ふくしま台湾友好協会と、台湾の駐日大使に当たる謝長廷台北駐日経済文化代表処代表の懇談会は22日、福島市のホテル辰巳屋で開かれた。
友好協会の渡辺博美会長(福島商工会議所会頭)と顧問の小林香市長が出席した。畠利行副知事、菅野孝志JAふくしま未来組合長、日台友好親善コンサートの後藤忠久実行委員長、代表処の朱文清台湾文化センター長らも臨んだ。
渡辺会長は「台湾との友好を深めていきたい」と述べた。畠副知事は台湾から県内への観光客が増加していると説明し、小林市長は市内の水道水の品質の高さ、菅野組合長は食品の安全性を訴えた。
謝代表は「福島が活力ある社会を取り戻したと信じている」とし、科学的データに基づき台湾の人々に県内の食品の現状を説明する姿勢を示した。
記念品交換に続き、会食をしながら意見交換した。
謝代表らは懇談会後、市内の花見山公園を訪れ、見頃を迎えた春の花々を楽しんだ。
(カテゴリー:福島第一原発事故)