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わんダフルな古里発信 試験11回で合格 災害救助犬じゃがいも

わんダフルまでい大使に任命された「じゃがいも」と(右から)井上さん、上村さん、山口理事長、菅野村長

 飯舘村は14日、東京電力福島第一原発事故の影響で飯舘村から岐阜市に預けられた災害救助犬「じゃがいも」(雄、6歳)を村の魅力を発信する「村わんダフルまでい大使」に任命した。関係者は11回目の試験で災害救助犬に合格した雑種犬に、災害現場や村のPR役としての働きを期待した。

■飯舘村PR大使に任命
 「いいたて村の道の駅までい館」で任命式が行われた。菅野典雄村長が「村の明るい話題を届けてほしい」とあいさつし、「じゃがいも」を東日本大震災後から預かっているNPO法人「日本動物介護センター」(岐阜市)の山口常夫理事長(66)に任命状を手渡した。山口理事長は「避難指示解除に合わせて試験に合格したような気がする。応援してほしい」と話した。
 「じゃがいも」が訓練士の上村智恵子さん(44)と一緒に人命救助訓練を披露した。倒壊家屋に見立てた木箱から、においを手掛かりに人を捜し出し、「ワン!」と3回鳴いた。
 「じゃがいも」は震災直後の2011(平成23)年6月に村内関沢の井上正一さん(67)宅で生まれた。原発事故による全村避難で、6匹きょうだいのうち1匹は知人に譲り、5匹を同センターに預けた。他の4匹は早々に引き取り先が決まったが、「じゃがいも」だけが残った。山口理事長は災害救助犬に育てようと決めた。雑種が救助犬を目指すのは異例だ。山口理事長は「じゃがいも」の若さと身体能力の高さに可能性を見いだした。
 年2回行われる救助犬の認定試験は座る、伏せるなどの指示に従う「服従」とにおいを基に人を捜す「捜索」の2種類ある。合格率は20~30%。「じゃがいも」は2012年秋から受験を続け、10回の不合格を重ねた。それでも上村さんと一緒に訓練を重ね、今年6月の試験で晴れて合格した。
 同センターによると、災害救助犬は全国で約220頭いるという。「じゃがいも」はセンターに所属し、全国の自治体の防災訓練に参加するなどして有事に備える。村はイメージアップ事業での起用を検討している。上村さんは「古里のために頑張ってほしい。私もじゃがいもを通して福島の情報を知りたい」と話していた。

■復興のため役立って 元飼い主の井上さん
 任命式に出席した元飼い主の井上さんは大役を任された「じゃがいも」を祝福した。
 原発事故で避難を強いられた際は生まれたばかりの子犬の処分も考えた。家族の提案で日本動物介護センターに預けようと決めた。差し入れたジャガイモを気に入った1匹が「じゃがいも」と名付けられた。災害救助犬を目指すと聞いた時は驚いたが、遠い地からエールを送り続けた。毎年2回の里帰りで会うたびに成長を感じていた。
 自身は福島市に買った中古住宅で避難生活を続けている。「村の復興はこれから。人の役に立ってほしい」と"愛犬"の活躍を願っている。

カテゴリー:福島第一原発事故

上村さんと訓練の成果を披露する「じゃがいも」

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