東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

「大義見えず」県民困惑 「復興忘れるな」 首相解散表明

衆院選を巡る動きを報じる新聞に目を通す菅野さん

 安倍晋三首相が臨時国会冒頭での衆院解散を表明した25日、消費増税分の使途変更を解散の大義とした説明に、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の避難者から「福島の復興への思いを示してほしかった」と注文の声が上がった。農家は農繁期と重なる選挙期間に困惑し、初めて4区で票を投じる西郷村民は解散に戸惑いを見せた。市町村選管委やイベント事務局は対応に追われた。

 「(首相は)解散の意義をいろいろ述べていたが、福島の復興を忘れてほしくない」。いわき市に避難する双葉町細谷行政区長、大橋庸一さん(76)はテレビ画面の中の安倍首相に強い口調で訴えた。
 政府は今月15日に双葉町の一部を特定復興再生拠点に認めた。町内の除染やインフラ整備など帰還に向けた取り組みが始まるタイミングに「自分たちの都合しか考えていないのでは」といぶかった。
 会津地方では間もなくコメの収穫や袋詰め作業が佳境を迎える。会津若松市の稲作農家二瓶政江さん(67)は「農家が1年で最も忙しい時期だ。大義の見えない選挙にどう向き合ったらいいのか」と首をかしげた。
 ブドウの収穫が最盛期に入った伊達市の果樹農家菅野信治さん(69)は、選挙で復興の動きが停滞しないか懸念している。高品質のブドウを出荷しても、価格は原発事故前の水準に戻っていない。「各政党の政策や公約には風評払拭(ふっしょく)に向けた具体策を盛り込んでほしい」と求めた。
 選挙区の区割り改定で本県3区から4区に編入されて初の選挙となる西郷村の有権者の思いは複雑だ。
 村内のNPO法人役員金沢隆夫さん(64)は「村には白河市など近隣自治体と連携してきた経緯がある。会津地方と同じ選挙区の国政選挙にはイメージが湧かない。誰に投票したらいいのか」とつぶやいた。一方で、同村の主婦今井由香さん(41)は「区割りがどうあろうと地域のために働いてくれる人を選びたい」と考えを示した。夫の仕事の都合で3年前に兵庫県から転居した。「候補者は村内にも積極的に足を運んで政策をアピールしてほしい」と前向きに受け止めた。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧