東北電力と東芝は、火力発電所の運用効率向上を図るため、最先端デジタル技術の導入に向けた共同検証を始める。東北電力の原田宏哉社長が27日、仙台市の本店で開いた定例記者会見で事業概要を説明した。
東北電力は全火力発電所で東芝製の運転管理システムを導入している。ビッグデータ分析やIoT(モノのインターネット)技術を取り入れ、システムの高度化を目指す。
具体的には能代火力発電所2号機(秋田県能代市)と仙台火力発電所4号機(宮城県七ケ浜町)で、設備の異常兆候を早期に検知する手法を検証する。八戸火力発電所5号機(青森県八戸市)では運転条件の変更による熱効率の向上効果を調査する。
10月にシステム高度化の検討に着手し、実証試験で有効性を確認し、2019(平成31)年度中に南相馬市の原町火力発電所を含む全火力発電所への適用を目標とする。
原田社長は東京電力福島第一原発事故後の火力発電所の高稼働、電力小売りの全面自由化などの事業環境を踏まえ、「新たな手法や発想で、低廉で安定的な電力供給の確保につながるよう取り組んでいく」と語った。
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