県内の産品と観光の魅力を発信する「ふくしま産直市」は26日、東京都のJR上野駅構内で始まった。28日まで。
JR東日本の主催、県の共催。10月から来年3月まで県が展開している秋・冬観光キャンペーンに合わせて企画した。県内各市町村の観光パンフレットを配布しているほか、県内産の菓子や加工品、工芸品、日本酒などを販売している。新鮮なリンゴやナシ、キュウリなどの野菜や果物も並べ、初日は駅利用者が列を作って買い求めていた。
県内の見どころなどを紹介する「HAPPYふくしま隊」のステージイベントも繰り広げられている。
産直市では幻のコメと言われる二本松市産の「農林21号」を販売している。
農林21号は県内を中心に良食味米として広く作付けされてきたが、寒さや病気に弱く、1980(昭和55)年の大冷害以降はほとんど栽培されていない。甘味と軟らかな粘りが特徴で、上質な味を地域の新たなブランドにしようと二本松市太田字白髭の菅野哲雄さん(54)らが石川県の生産者から種をもらい受け、作付けした。本格的に生産した今年は約1200キロを収穫した。
菅野さんは「土壌、気候ともに農林21号に適しており、おいしいコメができた。イベントなどで販売し、地域活性化につなげたい」と話している。
(カテゴリー:福島第一原発事故)