県が双葉町中野地区に整備する東日本大震災、東京電力福島第一原発事故のアーカイブ(記録庫)拠点施設は六つのテーマごとに、災害の教訓を伝える資料や復興に向かう福島の現状を紹介する写真を展示する。27日に県庁で開かれた福島イノベーション・コースト構想推進本部会議で施設の概要が示された。
展示室のイメージは【図1】の通りで、主に2階に設置する。六つのテーマの展示室のうち、「プロローグ」では震災、原発事故前の県内の風景や災害の様子を映像で解説する。「災害の始まり」では、地震や津波の被害の大きさなどを伝える資料を並べる。
「原子力災害の影響と対応」では県民らの避難、除染、風評などの長期的な被害を来場者に知ってもらう。「県民の想い」では災害を経験した県民の手記や震災の被害のデータなどを展示する。「復興への挑戦」では、古里に戻った避難者の取り組みなどをパネルで紹介する。施設の外観は【図2】の通り。鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約5200平方メートル。資料の収蔵、研究の機能も備える。県は来年度にも着工し、2020年度の完成を目指す。
■テナントを募集 隣接の産業交流センター
双葉町は来年1月から、アーカイブ拠点施設に隣接して設ける産業交流センターのテナントを募集する。
対象となるのはセンター内に整備するレストラン、フードコート形式の飲食店、コンビニエンスストア、特産品を扱う土産物店。町商工会に加盟する事業社に資料を郵送するほか、ホームページなどで広く募る。同センターはJR常磐線の全線開通が予定されている2020年度の完成を目指し、アーカイブ拠点施設や復興祈念公園と連携して人の流れやにぎわいを創出する。
(カテゴリー:福島第一原発事故)