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【震災から7年】 世界と情報共有 環境回復に寄与 福島大環境放射能研究所

分析棟で土壌に含まれる放射性物質を測定する難波所長

 福島を放射性物質研究の国際拠点に−。2013(平成25)年7月に設立された福島大環境放射能研究所は、2011年の原発事故で放出された放射性物質が土壌や河川、大気中をどのように移動するかや、食物連鎖を通して動物の体内に取り込まれるメカニズムなどを調べている。

 震災と原発事故に関する情報を世界の研究機関と共有し、本県の環境回復に寄与するため設立された。現在は約30人が所属し、被災地の実地調査を含めた研究に当たる。

 2014年、福島市の同大金谷川キャンパス内に分析棟を開所し、昨年6月には本棟を整備した。分析棟には大小さまざまな専門機器が並び、国内最高峰の設備がそろう。国内外の大学との協定締結を進めており、本棟に150人収容可能な大会議室を備えるなど、多くの研究者が福島に集う態勢が整っている。

 原発事故で放出された放射性物質は地上に沈着した後、雨や風によって移動する。被災地の森林、海、川、野生生物を長期にわたって観測することで、気候や地形など環境の違いを踏まえた放射性物質の動態を予測する。新しい分析方法の開発や放射性物質が野生生物に与える影響の研究にも力を入れている。

 2017年度から双葉町のため池や河川で水や生物を採取し、線量を調査している。研究を特定復興再生拠点の整備に生かしていく。

 国内で開発されたモニタリング技術を活用し、チェルノブイリ原発周辺の立ち入り禁止区域の環境回復を後押しする活動にも取り組んでいる。県内だけでなく、世界に貢献できる研究所として期待が高まる。

 難波謙二所長(53)=共生システム理工学類教授=は「放射性物質の動きの解明は効果的な除染につながる。人材育成も積極的に進めていく」と話している。


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