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【震災から7年】「中間貯蔵施設・環境再生」中間貯蔵へ搬入 本格化

 東京電力福島第一原発事故に伴う県内の除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設(大熊町・双葉町)は2017(平成29)年10月に大熊側、12月に双葉側で除染土の貯蔵が始まり本格稼働した。環境省は除染廃棄物の搬入を加速させる方針で、2018年度は前年度の約3・6倍に当たる約180万立方メートルの搬入を計画している。用地契約も進み、2017年度の目標830ヘクタールを達成した。双葉町の帰還困難区域では避難指示解除に向け、除染とインフラ復旧を一体的に進める特定復興再生拠点の整備が始まった。

■2021年度完了予定 除染廃棄物

 環境省が中間貯蔵施設への除染廃棄物搬入を本格化させるのは、草木などの廃棄物を分別する「受け入れ・分別施設」と、分別後の除染土を放射性セシウム濃度に応じて保管する「土壌貯蔵施設」が稼働し、受け入れ体制が整ってきたためだ。

 2018年度は31市町村から計約180万立方メートルを搬入する計画で、前年度の50万立方メートルの約3・6倍に上る。輸送車両は1日当たり平均約1200往復と見込んでおり、2017年度の平均約350往復と比べ約3・4倍に増加するため、輸送路や貯蔵工程の安全対策が課題となる。

 除染土は県内各地の仮置き場から、保管用の大型土のう袋(フレコンバッグ)に入った状態で中間貯蔵施設に搬入される。受け入れ・分別施設で袋を破き、草木などの廃棄物を取り除いた上で放射性セシウム濃度が一キロ当たり8000ベクレル以下と8000ベクレル超に分別。土壌貯蔵施設をはじめ、草木などの可燃物を焼却する減容化施設などに移す流れとなっている。

 2017年10月に運用を始めた大熊町夫沢の土壌貯蔵施設の貯蔵容量は約6万7千立方メートルで、同年12月に稼働した双葉町郡山の土壌貯蔵施設は約5千立方メートル。この他、土壌貯蔵施設を大熊に三カ所、双葉に二カ所整備中で、用地の取得状況に応じて増設する。

 2016年度から2020年度まで五カ年の輸送計画によると、中間貯蔵施設に搬入する除染廃棄物は推計1600万立方メートルに上る。2018年度は180万立方メートル、2019年度は400万立方メートル、2020年度は600万立方メートルの搬入を目指す。

 2020年度までに全体の搬入量の約8割に相当する1250万立方メートルを運び入れる計画だ。これまでの搬入実績を差し引くと残りは350万立方メートル程度となる計算で、同省担当者は「このペースでいけば2021年度末には搬入が終了する」とみている。

 ただ、帰還困難区域での特定復興再生拠点の整備に伴う除染がこれから本格化する見通しで、廃棄物の総量が変動する可能性があり流動的な面が残る。このため、同省は除染土の総量を大幅に減らす実証実験を2018年秋にも始める。施設内に実験施設を設け、放射性物質が付着した土壌を分離する技術を確立し、2019年度以降の実用化を目指している。


※中間貯蔵施設 東京電力福島第一原発事故に伴い県内の除染で生じた放射性セシウムを含む土や廃棄物を保管する国の施設。大熊、双葉両町にまたがる福島第一原発を囲むように計約16平方キロ(1600ヘクタール)に建設している。暫定的な保管場で受け入れを始めた2015(平成27)年3月から30年以内に県外に搬出し最終処分する計画だが、処分先のめどは立っていない。

■地権者合意58% 用地交渉

 中間貯蔵施設の用地交渉について環境省は2日、2月末時点(速報値)で地権者2360人のうち土地売却や地上権設定に合意したのは全体の58・5%に当たる1380人と発表した。2017(平成29)年2月末時点に比べ約2倍の661人増となった。契約面積は844ヘクタールとなり、建設予定面積約1600ヘクタールの52・8%に達した。環境省は2017年度の用地契約目標を累計370〜830ヘクタール程度としており、最大値の830ヘクタールを超えた。

 建設予定地1600ヘクタールのうち民有地は約8割に当たる1270ヘクタールで、2月末までに契約した844ヘクタールは民有地の66・5%に相当する。一方、公有地は全体の約2割に当たる330ヘクタールで、このうち大熊、双葉両町の町有地計約165ヘクタールについては、原則として国が一定期間、土地を使う権利を持つ「地上権」の設定契約で提供を受ける方針が示されている。

 環境省は2018年度の用地契約目標を累計400〜940ヘクタール、2019年度で累計520〜1040ヘクタール程度に設定。2020年度は640〜1150ヘクタール程度としている。地権者2360人のうち、死亡するなど連絡先を把握できない地権者は約480人に上る。施設整備に不可欠な土地については、地権者の相続をたどり交渉する。

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