東京五輪の聖火リレーは十一日、全国九県目の奈良県で始まった。ランナーは、藤原京(六九四~七一〇年)が置かれた橿原市などを走った。十二日は、鎌倉幕府滅亡後の十四世紀前半に後醍醐天皇が南朝を興した吉野の地を経て、平城京(七一〇~八四年)があった県最北部の奈良市へ。遷都の歩みをたどるように進んだ。
県南部の五條市をスタートした十一日の第一走者は、高校野球の名門・天理高出身の元プロ野球選手、鈴木康友さん(61)。血液がんの一種を患い、闘病生活を乗り越えてランナーを務めた。リレーはその後、日本最古の神社との言い伝えもある大神(おおみわ)神社がある桜井市などを通過した。