東京五輪の聖火リレーは十八日、香川県での二日目を迎えた。雨に見舞われた前日午前とは打って変わって晴れ渡った空の下で坂出市をスタートした。瀬戸内海に浮かぶ与島では、近くの岩黒島に住む高校一年岩中楓さん(15)が瀬戸大橋を一望できる海岸線を笑顔で走り抜けた。
母校の坂出市立岩黒中では三年間、同級生はおらず、島の人たちに支えられた。体育祭を盛り上げてくれるなど「優しく接してくれた」と感謝の気持ちでいっぱいだ。「島の魅力を世界中に伝えたい」との思いで臨んだ。今は島外の県立多度津高(多度津町)に瀬戸大橋を経由して通っている。
岩中さんはトーチを両手で握り、しっかりとした足取りで進んだ。海岸線沿いに係留された漁船には色鮮やかな大漁旗がはためき、沿道では「楓 がんばって!」と記した横断幕が掲げられた。
走り終えた後は「地域の方がたくさん応援に来てくれた。素晴らしい島で過ごすことができて幸せ」と話した。
聖火は小豆島や東かがわ市を進み、高松市へ。同市の大島にある国立ハンセン病療養所「大島青松園」の入所者松本常二さん(89)が市内でトーチを車いすで運ぶ。
聖火リレーは十九日から高知県で行われる。