九州・沖縄で初日となる東京五輪の聖火リレーが二十三日、大分県でスタートした。福島県で始まったリレーは十五府県目。大分を皮切りに、五月十二日にかけ九州・沖縄八県を巡る。
日出町では、災害に見舞われた地域に駆け付けて支援を続け「スーパーボランティア」として知られる尾畠春夫さん(81)が、声援に手を振って応えながら、トーチを掲げた。
トーチは、東日本大震災被災地の仮設住宅で使われたアルミの廃材を再利用している。震災でボランティア経験がある尾畠さんは「東北の人が、昔のように笑って過ごしてほしいなと思って走った」と明かした。
九州の第一走者は、新体操の元五輪日本代表田中琴乃さん(29)。別府市の海沿いの道を走り終え「トーチの火を見て、五輪を思い出した」と笑顔で語った。
係員が沿道の観客に、ランナーとの並走や密集を避けるよう呼び掛ける場面もあった。
聖火は午後、街並みに昭和の面影を残す豊後高田市などを経由し、日田市でゴールする。