東京五輪の聖火リレーは二十六日、宮崎県での二日目を迎え、宮崎市をスタートした。日南市では、一九九二年バルセロナ五輪の男子マラソンで八位入賞した地元出身の谷口浩美さん(61)が、笑顔でトーチをつないだ。
谷口さんは「九州の小京都」と呼ばれ、江戸時代の武家屋敷や商人町の残る日南市の城下町・飫肥(おび)地区で、観客に「ありがとう」と声を掛けながら走った。終了後、五輪のマラソンで足を踏まれて転倒した経験に触れ「二十九年前に『こけちゃいました』で泣かせた母を泣かせることなくゴールできた。過去が今につながることを実証できたと思う」と満足そうだった。
宮崎市の景勝地、青島では奇岩「鬼の洗濯板」を背景に、ランナーたちが心地よい海風の吹く中、島と海岸を結ぶ「弥生橋」を渡った。
午後は県西部へ向かい、柔道男子日本代表の井上康生監督(42)が、えびの市でゴールする。