23日に行われた東京五輪の開会式では、福島県郡山市の郡山高の生徒8人と豊島岡女子学園高(東京都)の生徒12人で編成した男女合唱団が出演。東京都交響楽団が演奏する「オリンピック讃歌」に合わせてステージで歌唱する中、自衛官の代表がオリンピック旗を掲揚した。
聖火台の燃料には五輪史上初めて、次世代エネルギーの水素が活用されている。大会理念の「復興五輪」を体現する取り組みとして、浪江町の水素製造実証拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」で製造された水素が使われている。聖火台のある国立競技場の近くに設置された水素の貯蔵施設から供給している。
浪江町の研究フィールドで作られた水素は全国47都道府県を巡った聖火リレーのうち本県や愛知県、東京都などで、トーチの燃料としても使われた。
東京五輪聖火リレーは東京電力福島第一原発事故に伴い、一時廃炉作業の前線基地となったJヴィレッジ(楢葉・広野町)を3月25日にグランドスタートした。同27日までの3日間、県内26市町村の計51・71キロを265の走者枠で計299人のランナーが「希望の灯(ともしび)」をつなぎ、全国に引き継がれた。
各ランナーが聖火を掲げたトーチは本県など東日本大震災被災地の仮設住宅で使われたアルミ廃材を再利用した。上から見ると桜の花の形をしている。南相馬市の石神一小児童との交流から着想を得た世界的デザイナーの吉岡徳仁さんがデザインした。