学法福島が粘る勿来工を振り切った。学法福島は前半6分、敵陣ゴール前からHO渡辺俊が中央突破し、先制トライを決めた。その後も得意のモールなどを絡めて3トライを奪った。勿来工は後半33分、PR古瀬のトライなどで5点差まで迫ったが、及ばなかった。
▽準決勝
学法福島 19―14 勿来工
(19―7)
(0―7)
■強み生かして支配 学法福島 伝統のモールで決勝点
昨年覇者の学法福島が伝統のモールと献身的な守備でボールを支配し、勿来工の堅守に苦戦しながらも反撃を振り切った。先制トライを奪ったHO渡辺俊太(3年)は「強みを生かした戦いができた」と充実感をにじませた。
副主将のPR国井那大(3年)が初戦直後に足の負傷で離脱した。スクラムの要を欠き、連係に不安を覚えながらの準決勝だったが、渡辺の先制トライがチームを奮い立たせた。
12-7で迎えた前半35分、モールでゴール前1メートルに近づくと、渡辺にボールが渡った。普段はトライの役割を国井に任せていたが「自分がやるしかない」と前へ持ち出し、飛び込んだ。気迫でもぎ取ったトライが決勝点となった。
2年連続の花園出場まであと一歩に迫った。相手は昨年の頂上決戦で激突した磐城だ。渡辺は「厳しい戦いになるが、相手にボールを渡さないプレーを徹底する」と意気込んだ。
■昨年覇者相手に1トライ差迫る 勿来工
勿来工主将のLO満山日向は「悔しい。後輩を勝たせたかった」と目を腫らした。FWの中心選手としてプレー。前半10分には、体格で上回る学法福島FWをスクラムで押し返してターンオーバーするなど、昨年覇者に1トライ差まで詰め寄った。ただ相手の守りに阻まれ、追加点を奪えなかった。「2年生はここから伸びてくれるはず」と後輩に夢を託した。