16日午後11時36分ごろ、宮城県と福島県で震度6強の地震があった。気象庁によると震源地は福島県沖で、震源の深さは約60キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7・3と推定される。
気象庁は宮城県と福島県に津波注意報を出した。高さは1メートルと予想され、海岸に近づかないよう注意を呼び掛けた。宮城、福島両県をはじめ東北や関東、中部、関西など広い範囲で揺れが観測された。
東京電力パワーグリッドと東北電力ネットワークによると、両電力の管内で計220万件以上の停電が発生した。地震の影響とみられる。
政府は首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置した。官邸入りした岸田文雄首相は①状況把握に努める②政府一丸となって救命救急に当たり、被災者に全力で対応③的確な情報提供-の3点を指示したと明らかにした。
岸田首相は自身のツイッターに「まず命を守る行動を取ってください。テレビやラジオ、インターネットの防災情報などで情報収集してください」と投稿した。
宮城、福島両県では昨年2月にも震度6強の地震が発生。関連死も含め3人が亡くなり、計180人以上が重軽傷を負った。
東京電力によると17日午前零時50分現在、福島第一、第二の両原発周辺で放射線量を測定するモニタリングポストの値に変化はない。
松野博一官房長官は記者会見し、「政府はただちに官邸対策室を設置。関係省庁の局長級による緊急チームを招集し、人命第一の方針のもと、被害状況の把握、救命・救助活動に取り組んでいる。今後1週間程度、最大震度6強の地震に注意してほしい。2、3日程度は規模の大きい地震が発生することが多くあるので、情報に留意しつつ行動してほしい」と話した。
相馬市では、強い揺れで石垣が崩れた。相馬市の公立相馬総合病院によると、震度6強の地震で、けが人が次々と搬送されている。市中心部などでは停電が続いている。
東北電力ネットワークのホームページによると、17日午前零時35分現在、県内では約10万戸が停電しているとみられる。
JR東日本によると、東北、上越、北陸の各新幹線や常磐、水郡の各線で運転を見合わせている。ネクスコ東日本によると、東北自動車道と常磐自動車道は県内全区間で通行止め、磐越自動車道は会津若松-西会津インターチェンジ間を除く県内区間は通行止め。
県は災害対策本部を立ち上げ、各市町村などと連携して地震や津波の被害状況を調査している。県警も災害警備本部を設置し、情報収集を急いでいる。
田村署によると、田村市常葉町の工場で火災が発生したとの情報がある。
川俣町によると、町営体育館の天井の一部が崩落した。けが人の有無を確認しているという。