16日夜の地震で、福島県の県北地方の阿武隈川に架かる橋は継ぎ目が離れたり段差ができたりするなどの影響があり、通行止めが相次いだ。通勤、買い物などに欠かせない道路のため、住民生活や経済活動に影響が出ている。
通行止めが続くのは伊達市の伊達橋と桑折町の伊達崎橋で、いずれも復旧のめどは立っていない。県によると、最低でも2~3年かかる見通しという。昨年の福島県沖地震で被災し、19日に再開通予定だった桑折町の昭和大橋も損傷し、引き続き通行止めとなる。
伊達市の伊達貨物運送はトラック輸送の際に会社近くの伊達橋を利用していた。17日は福島市などの橋に迂回(うかい)せざるを得ず、4号国道に出るまで普段より約6倍の時間を要した。酒井良晃社長(48)は「燃料代が高く、遠回りするのはかなりの負担だ」と頭を抱える。伊達市の須田博行市長、桑折町の高橋宣博町長は「地域が分断された状態で、住民への影響は大きい」と訴える。
視察した内堀雅雄知事は「被害状況を見極め、応急復旧を着実に進めることが重要」とし、早期復旧に努める考えを示した。