16日夜の地震で被災し、区間運休が続く東北新幹線は22日、那須塩原(栃木県)―郡山(福島県)駅間など2区間で運行を再開し、6日ぶりに東京方面と福島県がつながった。JR東日本によると、当面は臨時ダイヤとなり、本数は通常時の半分程度、各駅停車、普通車全席自由で運行する。
郡山市の郡山駅新幹線ホームには22日午前、スーツケースを引く若者やビジネスバッグを持つサラリーマン、ベビーカーを押す家族ら再開を待ちわびた乗客の姿があった。さらに北に向かう方法を駅員に尋ねる人もいた。
高校を今春卒業した郡山市の18歳男性は約半年前から予定していた東京観光に向かう。「別の移動手段も検討したけれども再開が出発に間に合ってほっとした」と笑顔だった。郡山市の病院に打ち合わせに行くという愛知県の49歳会社員は「新幹線が走らなければ栃木県でレンタカーを借りようとしていた。雪模様なので運行が再開してくれて助かった」と胸をなで下ろした。
東北新幹線は22日、一ノ関―盛岡間の運転も再開した。郡山―福島駅間は4月2日ごろ、仙台―一ノ関駅間は4月4日ごろに再開する見通し。全線再開は来月20日ごろを目指している。
また22日は東北新幹線の不通区間の代替交通として、在来線の東北線を走らせる臨時快速列車も仙台―郡山駅間で運行された。
常磐線は22日始発から富岡―原ノ町駅間で再開した。24日に原ノ町―新地駅間で再開し、全線で復旧する見通し。