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【名君の大名文化】名品が伝える文武

2022.10.01 10:54
国宝太刀銘吉房ー鎌倉時代中期ー (林原美術館蔵)
国宝太刀銘備前国長船住左近将監長光造ー鎌倉時代後期ー (林原美術館蔵)

 会津若松市の県立博物館で7日に開幕する企画展「名君の大名文化-岡山池田家と会津 武、その華と志-」は、林原美術館(岡山市)が所蔵する名品を軸に、近世大名の文武を伝える。主な展示品を紹介する。

 林原美術館は「名物九鬼正宗」に加えこの2口の国宝の刀剣を所蔵している。いずれも岡山の実業家・故林原一郎氏が収集した。吉房も長光も備前(現岡山県)の刀鍛冶。林原氏のコレクションには岡山ゆかりの資料への意識が見受けられる。

 吉房は備前国福岡一文字派を代表する鎌倉時代の刀工。則房・助真と並び称される。本作は現存する吉房の作例の中でも特に刃文が華やかで変化に富む。「九鬼正宗」と同じく名刀を多数所蔵した紀州徳川家の分家・伊予国西条藩松平家伝来。

 長光は鎌倉時代後期に台頭した備前国長船派の刀工。鎌倉時代の名工の中でも作例が多く現存し、名作が多い。本作はその中でも優品として知られる一口。丸く焼かれた模様が続く丁子(ちょうじ)、小互の目(こぐのめ)という長光の特徴的な刃文となっている。

 江戸時代、「長光」は「御威光が長く光る」ことを指す縁起の良い銘とされ、将軍家や大名家の代替わりの贈答品として用いられた。太平の世ならではの、武器の在り方と言える。(吉房は前期、長光は後期に展示)

◆会期 7日~12月4日(11月6日まで前期、11月8日から後期。前後期で展示替えをする)

◆観覧時間 午前9時30分~午後5時

◆休館日 月曜日(10月10日を除く)と10月11日、11月24日

◆前売り 一般・大学生1000円、高校生640円、中学生以下無料

◆主催 名君の大名文化展実行委員会(県立博物館、福島民報社=創刊130周年記念事業=、福島テレビ)

◆問い合わせ 福島民報社事業局(平日午前10時~午後5時) 電話024(531)4171