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【鉄路と生きる】福島県7割、市町村3割案 磐越西線復旧費 地元負担4分の1に 鉄道軌道整備法適用へ

2023.02.17 09:30

 4月に全線再開通する見込みとなったJR磐越西線について、路線の維持に向けJR東日本と国、福島県、会津地方の17市町村が分担して復旧費用を負担する方向で検討に入った。地元負担分は全体の4分の1になる見通しで、県が7割程度、17市町村が3割程度と想定している。喜多方市の喜多方-山都駅間など昨年8月の大雨で被害を受けた全施設を対象に鉄道軌道整備法に基づく制度の適用を予定しており、JRと県、市町村などが具体的な負担額について本格的な協議に入る見通しだ。


 復旧費用の負担割合のイメージは【グラフ】の通り。被害額は喜多方-山都駅間の濁川橋りょうの倒壊や沿線で盛り土の流出などがあった福島県側は12億9千万円、線路への土砂の流入などが起きた新潟県側は2億2千万円を見込んでいる。

 福島県側の復旧費用について国が4分の1、県と会津地方の17市町村が4分の1、JR東が残りの2分の1を負担する方向。鉄道軌道整備法に基づく配分の枠組みで、赤字路線の上、大雨が激甚災害に指定されたため国などの補助対象となった。

 地元が負担する復旧費4分の1の内訳は流動的だが、会津全域の観光振興や地方創生に大きな役割を果たす路線である一方、人口減少に伴う税収減などが進む沿線地域に配慮して県の負担割合を増やす見通しだ。市町村分については、沿線の市町村が大部分を負担し、残りを沿線以外の町村が負担する案が浮上している。ただ、具体的な金額は自治体の規模や財政状況などに応じて今後、調整が進むとみられる。

 JR東は不通となっている喜多方-山都駅間を含む磐越西線の全線再開通の時期について4月1日を軸に調整を進めている。ただ、一部区間で1日当たりの乗客数が30年前と比べて9割以上減るなど利用者が特に少ない路線として公表されている。復旧後は路線の維持に向け、利用客増や鉄道を活用した新たな地域振興策の実施に向けた本格的な協議も必要となっている。

   ◇  ◇

 昨年10月に全線再開通したJR只見線の会津川口(金山町)-只見(只見町)駅間について、復旧費用として県と会津17市町村が積み立てた基金の割合は県が7割、17市町村が3割だった。年間の維持管理費の割合も県が7割、17市町村が3割の負担と定めていた。