福島県浪江町は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生以降、休止していた町内での小児医療を約12年半ぶりに再開させた。子育て環境の向上や地域医療の充実が期待される。
郡山市出身の小児科医・先崎秀明さん(埼玉県川越市)が浪江診療所に着任した。先崎さんは日本医療科学大の小児地域総合医療学特任教授を務めている。復興支援でいわき、相馬両市の小児医療に関わっており、今回も浪江の力になろうと町長に手紙を書き、子どもたちの診察を志願した。
月1回、浪江診療所に勤務するほか、遠隔診療で急性期医療に対応する方針。子育て支援に関する教室などを開く計画もある。
町内では子どもの数が徐々に回復し、中学生以下で100人を超えている。保護者らから小児医療再開を待ち望む声が上がっていた。