衆院選は27日の投票まで4日と迫った。今回から比例東北ブロックの定数が1減の12となり、県内各党は比例票の獲得に向けた活動に注力している。自民党県連は33万3千票を集めた前回と同程度の得票目標を設定。逆風の中、候補者の比例重複の有無で選挙区ごとの比例集票への温度差を課題に挙げる声がある。立憲民主党県連は政権への批判票を取り込むことで前回を10万票上回る33万票の獲得を目指す。ただ、政権批判票が野党間で分散する懸念を関係者は抱いている。
比例東北に候補者を擁立している政党の県内での得票目標や2021(令和3)年の得票数は【表】の通り。
自民県連は、前回東北ブロックで獲得した6議席の維持を目指している。
しかし今回は、小選挙区で比例復活回数の制限規定や無所属での立候補などに伴い、比例への重複立候補が見送られた候補もいる。ある陣営は「比例復活の道が閉ざされた選挙区で集票への熱量に差が生じる」と課題を明かす。比例単独候補が小選挙区候補の演説会でマイクを握るなど連動しながら女性や若者らへの浸透を図り、運動量を埋める戦略を取っている。物価高騰対策や経済対策など有権者に広く関心がある政策を意識して発信している。
立民県連は比例東北では、前回得た4議席を上回る5議席を狙う。
立民を含めた野党は自民の「政治とカネ」について痛烈に批判を繰り広げている。関係者は政権批判票が分散する可能性があると危惧している。全国で立民の議席増との観測が広がる中、運動の鈍化なども一部には表れ始めているとされる。最終盤に向けて県連幹部が各陣営を訪れ引き締めを図っている。
比例単独候補者が小選挙区の候補者とともに街頭演説に立つなどし、他の野党より存在感を示すセット戦術で支持を呼び込む。
日本維新の会県総支部は複数の議席獲得を目標に街宣車で子育ての無償化などを発信する。
公明党県本部は2議席奪還を目指し自民党との連携強化、交流サイトの情報発信などに力を注ぐ。
共産党県委員会は1議席死守に向け、有権者との対話の機会を多く設け、政策をアピールしている。
国民民主党県連は比例東北で初の議席を射止めるために、政策では所得向上策などに重点を置く。
社民党県連は比例東北に擁立した1人の当選に向け、国民の暮らしを守る施策などを強調する。
れいわ新選組や参政党も候補者を擁立している。