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衆院選福島県内小選挙区当選3区 立民・小熊慎司さん 二大政党実現目指す

2024.10.28 06:38
支援者と万歳し喜びを分かち合う小熊さん(右から2人目)

 「政治の信頼回復へ、今日が新たなスタートになる」。立憲民主党の前職小熊慎司さん(56)は当選確実の一報を受け、福島県白河市鬼越の県南選挙事務所で決意を新たにした。

 区割りの改定に加え、公示直前に自民党の前職が立候補を取りやめ構図が一変するなど、難しい戦いを強いられた。会津地方全域と県南地方が一つになった選挙区は県の半分の面積を占める。ひたすらに歩き、政治改革の必要性を訴えた。東白川、白河・西白河、会津の3地区で細かく演説会を開いて自らの政策を有権者に丁寧に説明した。自民政権への批判の受け皿として支持を掘り起こした。

 東京一極集中のままでは日本が衰退するとし、本当の地方創生を成し遂げなければならないと主張。未来を担う子どもたちのため、教育無償化の実現にも取り組む考えを示した。

 衆院副議長を務めた故渡部恒三氏の遺志を継ぎ、緊張感ある「二大政党」の実現を目指す。「福島県が改革の先頭に立ち、正しい政治に導いていく」と言葉に力を込めた。


■3区戦いの跡 小熊氏 保守層を切り崩す

 立憲民主党の前職小熊慎司氏は地盤の会津地方で圧勝し、県南地方でも政権批判票をまとめて5選を果たした。

 自民党派閥の裏金事件を巡り、公示直前に相手候補が変わる異例の選挙戦となった。「政治への信頼を取り戻す」を合言葉に、賃上げや東京一極集中の是正などを訴え、浮動票を積極的に取り込んだ。昨秋の県議選で会津の郡部に誕生した野党系県議のネットワークを活用し、保守層の切り崩しにも力を注いだ。県南では新たに設けた後援会を足掛かりに旧3区で強固な支持基盤を持つ玄葉光一郎氏の支援者の支持を取り付けるなど着実に票を積んだ。

 無所属の前職上杉謙太郎氏は公示2日前に立候補を表明した。国からの予算を確保し政策を前に進めるには与党系議員が必要と強調。地盤の県南地方での支持を足掛かりに会津地方でも浸透を図ったが、政権への逆風や出遅れが響いた。

 共産党の新人唐橋則男氏は自民党政治を強く批判したが広がりに欠いた。(本社報道部・高内広樹)