東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴う避難者が抱える課題に対応するため、県社会福祉協議会は新年度、避難者を多く受け入れている福島県の福島、南相馬の両市に「社協連携避難者支援センター」を新設する。両市の社協が避難元の社協と共同で避難者を訪問するなど見守りや相談、居場所づくりに取り組む。6日、福島市で開いた県被災者見守り・相談支援調整会議で示した。
福島市社協は浪江、飯舘の2町村社協、南相馬市社協は双葉、浪江、飯舘の3町村社協と連携し、復興公営住宅や再建住宅に暮らす避難者を支援する。週2~3日程度、事務所で会議を開くなどして、それぞれの訪問状況や課題を抱えている世帯の情報を共有し、避難元と避難先の社協による対応方針を決める。
既に支援センターを開設している郡山、いわき両市では、避難者への情報提供や関係機関との連携の迅速化などにつながっている。郡山市社協の担当者は「避難元と避難先の情報を同時に提供できるようになった」「避難元の社協が相談員として参加することで住民の笑顔が増えた」などと実績を報告した。
避難者の高齢化や単身化に伴い、孤立・孤独、生活困窮などへの対応が課題となる中、県社協は支援センター開設による成果を他の地域に広げる必要があると判断した。山中啓嗣避難者生活支援・相談センター長は「避難元の枠を越えた連携・協働を通して生活を支えたい」としている。