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世界の強豪「鉄拳」競え バンダイナムコ公認eスポーツ大会 14日、福島市で東北初開催

2025.08.30 09:21

 ゲーム制作・販売大手バンダイナムコエンターテインメント(東京都)公認の世界規模のeスポーツ大会が9月14日、東北地方で初めて福島市で開かれる。人気格闘ゲーム「鉄拳」の世界一を決めるシリーズ戦の一つで、国内外の強豪選手を含め約100人が集う見通し。市内を拠点に活動するプロチームも運営に携わり、eスポーツの競技者とファンの拡大、交流人口の創出につなげる。主催者は市内での継続開催を見据え、活性化が急務となっている県都のにぎわいづくりに生かす。

■競技、交流人口拡大へ
 大会は世界各国で開かれているポイント制の「TEKKEN WORLD TOUR(テッケン・ワールド・ツアー、TWT)」。プロからアマチュアまで幅広く出場でき、プレーヤーが実際に集まって鉄拳の最新作で競い、結果に応じたポイントを受け取る。他の大会と合わせた合計ポイントで世界や国内での順位が決まり、上位者は決勝大会に進出する。

 国内外で累計5700万本以上の販売実績がある鉄拳シリーズはeスポーツを代表するゲームの一つ。日本や韓国、米国、欧州などで公認大会が開かれてきた。大会は複数に格付けされており、国内では今年、福島大会と同じランクが計40回程度計画されている。福島大会には既に日本や韓国から70人を超える申し込みがある。対戦の模様は動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信される。

■体験ブースや県産品販売も
 会場には子どもから大人まで気軽に参加できる体験ブースを設け、市内飯坂町に拠点を置くプロチーム「FUKUSHIMA IBUSHIGIN(フクシマ イブシギン)」が運営に携わる。会場内外に県産品の物産展、地元飲食店によるキッチンカーを企画し、福島の良さを発信する。

 イブシギンのスポンサーを昨年5月から務め、活動を支援してきた福島市の建設業「zero one(ゼロワン)」が主催する。社長の南祐希さん(36)は「大会をきっかけに、福島をeスポーツの聖地にしたい」と意気込む。

 国内でのeスポーツの公認大会は東京都や大阪府など都市部の開催が中心だった。南さんは遠方の大会に出場できない人が気軽に参加でき、福島と縁のなかった層が来県するきっかけにもしたいと社員らと準備してきた。

 イブシギンの拝田遼平さん(35)は「東北で最先端の取り組み。eスポーツの魅力が広がってほしい」と期待する。当日は所属選手のヤナイさん(25)と共に、健康増進などの側面を持つ多彩な競技の特徴を来場者に伝える予定だ。

 福島市はJR福島駅周辺の大型商業施設が相次いで閉店するなど中心部の空洞化が課題となっている。南さんは福島駅周辺を含めた継続的な大会開催を目指している。「福島にeスポーツを根付かせ、地域を盛り上げたい」と構想を練る。

■県内でも関心高まる 専門学科設置や部活動も

 国内外で急速に普及しているeスポーツは県内でも関心が高まっている。

 郡山市の国際アート&デザイン大学校はeスポーツビジネス科を設け、人材育成に力を入れている。同校の高校課程に当たるFSG高等部にはeスポーツ専攻を設置している。県内高校でも部活動をつくる動きが出ている。

 認知機能の維持・向上、多世代交流などにもつながるとし、県や市町村は体験会を各地で開いている。


 福島大会を含む一連のイベントは「福島eスポーツフェス」として、9月14日午前11時から午後6時まで、福島市市民センターで開かれる。大会は正午から。一般来場は無料。体験ブースにはリズムゲーム「太鼓の達人」、トレーディングカードゲームなどを用意する。大会出場者を9月6日まで募っており、フェスの特設ウェブサイトからアクセスできるページで手続きする。定員は先着106人。1人3千円(税込み)の機材利用料が必要。ウェブサイトに詳細を掲載している。