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松平容保の孫 秩父宮妃、勢津子さま 愛用の私物初公開 28日まで、御薬園に展示 福島県会津若松市

2025.09.10 09:56
初公開された勢津子さまの愛用品の(左から)ハンドバッグ、ミラーコンパクト、小物入れ

 福島県会津若松市の会津若松観光ビューローは28日まで、秩父宮妃勢津子さまが愛用した私物を市内の御薬園で初公開している。足跡をたどる写真パネルも展示し、古里のために力を尽くされた先人の遺徳と日常を伝えている。

 市は昨年、勢津子さまの実家である松平家から着物などを含む愛用品20点余の寄贈を受けた。管理する観光ビューローが、広く一般に見てもらおうと御薬園内の御茶屋御殿売店のショーケースでの展示を企画した。今回展示しているのは、箔糸と絹糸を織り込んだ佐賀錦織のハンドバッグ、英国製のミラーコンパクトと小物入れの計3点。伝統工芸の美と舶来の優雅なデザインをまとった品々が来場者を魅了している。展示スペースには勢津子さまの生涯を紹介するパネル、柔和な表情を捉えた写真なども並んでいる。

 尾張徳川家からの遺贈品も管理する観光ビューローはこれまで、勢津子さまのたんす、茶器、和歌の短冊などを展示したことはあるが、身の回りの品の公開は初めて。秩父宮妃勢津子殿下顕彰委員会の宮森泰弘委員長は「会津を大切にされた勢津子さまをより身近に感じてもらえれば」と話している。

 勢津子さまは幕末の会津藩主松平容保の孫に当たる。昭和天皇の弟秩父宮雍[やす]仁[ひと]親王と結婚され、戊辰戦争で「朝敵」とされた会津藩の名誉回復に力を注がれた。

 御薬園の入園料のみで観覧できる。時間は午前8時30分から午後4時30分まで。