郡山市地域おこし協力隊の古川公望さん(29)は福島県郡山市湖南町の古民家を改装し、14日に観光拠点「農cafe baikamo(バイカモ)」をオープンする。地元食材を使った料理の提供や地域の伝統技術であるヤマブドウを使った工芸品の制作体験を通し、観光客と住民をつなぐ地域の結節点を目指す。
江戸末期に建てられたという古民家で存在感のある梁を生かし、現代風に改装した。自家栽培したブルーベリーとハチミツのピザ、梅やレモンを漬けた自家製シロップのレモンスカッシュなどを提供する。採れたての地場野菜を使い、食材の魅力を発信する。
雪深い湖南町では冬仕事としてヤマブドウのつるを使った工芸品づくりが行われてきたが、過疎や高齢化に伴い伝統は途絶えつつある。技術を学んだ古川さんが手掛けたバッグやアクセサリーを取り扱う他、ワークショップを計画する。
猪苗代町出身。猪苗代高校を卒業後、都内などの会社勤務を経て、2023(令和5)年5月に協力隊として郡山市に着任した。人やモノであふれる都会で過ごした経験から、自然豊かな里山で心身ともにくつろげる場づくりを志した。
拠点近くの清水川には水温の低い清流で、かれんな白い花を咲かせる水草「バイカモ」が群生する。花言葉は「幸福になります」。古川さんは「花言葉のように湖南町を訪れる人々が幸せになるきっかけになれば」と願っている。
14日の営業時間は午前11時から午後9時まで。