奥会津は人口減少や少子高齢化に悩む。地域住民の「足」である只見線は、豪雨災害を受けて一部が不通のままだ。若い発想で地域を盛り上げようと、会津大短期大学部(会津若松市)の学生と首都圏の学生が連携し、継続的な活動を展開している。
会津大短期大学部の高橋延昌准教授(48)=産業情報学科=のゼミが事務局を務めている。多くの若者を奥会津に呼び込もうと、古民家などの地域資源を生かした学生の学び場「奥会津サテライトキャンパス」づくりを目指す。専修大、拓殖大の学生と沿線自治体を巡るスタディーツアーを実施し、観光面での課題や交通状況を調査した。
二〇一九年度は只見町を中心とした活性化事業に取り組んでいる。河井継之助を描いた映画「峠 最後のサムライ」の公開に合わせ、観光誘客にも力を入れる。継之助が巡ったとされる場所を記した観光案内地図やポスターを制作している。これまで話題として取り上げられてこなかったカフェや絶景ポイントを学生が訪れて探り、新たな観光スポットとして発信する。
ゼミ長の佐藤有(ゆう)さん(20)=会津大短期大学部二年=は「只見町を訪れ、景色や食べ物など地域ならではの魅力に気付いた。まだまだ知られていない良さを発信していきたい」と思いは熱い。
◆奥会津プロジェクトチーム◆▽設立=2001(平成13)年4月▽ゼミ長=佐藤有▽学生数=5人▽住所=会津若松市一箕町八幡字門田1の1(会津大短期大学部)▽電話番号=0242(37)2300(会津大短期大学部)