任期満了に伴う福島県知事選への3選立候補が確実視されている現職内堀雅雄氏(58)=無所属=が、21日開会の6月定例県議会冒頭の所信表明で立候補の意思を示す見通しとなった。自身の連合後援会や主要団体などから相次いで立候補要請を受け、決意したもようだ。複数の関係者が明らかにした。
連合後援会は18日、郡山市で代表者会を開き、満場一致で立候補要請を決定。その後に開いた県政報告会で、中川治男後援会長が内堀氏に「引き続き、県政の発展と県民生活の充実のために全力を尽くしてほしい」と3選を目指して立候補するよう求めた。
内堀氏は「真剣に受け止め、熟慮を重ねる」と明言を控えたものの、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興、地震や台風、降ひょうなどの自然災害、急激な人口減少、新型感染症対応、物価高対策など喫緊の県政課題を挙げ「こうした難しい課題の解決に皆さんと一緒になって日々、努力を続けていく」と県政運営の継続に強い意欲をにじませた。
内堀氏は県議会最大会派の自民、第二会派の県民連合などに配慮し、特定の会派からの代表質問に答える形での立候補表明ではなく、冒頭の所信表明の際に自ら意思を明らかにするとの見方がある。前回知事選の2018(平成30)年にも、6月定例県議会冒頭の所信表明で再選を目指す意向を示した。
自民党県連は3月の県連大会で特別決議を採択し、内堀氏を引き続き全面支援する方向性を確認。立憲民主党県連も4月の県連大会で3選立候補を念頭とした活動方針を決議した。
一方、内堀県政と距離を置く共産党県委員会や県労連などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」は独自候補の擁立に向け、人選を進めている。
今回の知事選は10月13日告示、30日投票で行われる。