東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた福島県南相馬市小高区井田川に2日、観光農園「ブルーベリーパークぴぽぱ」が開園し、家族連れらがブルーベリー狩りを楽しんだ。
井田川地区出身の渡辺春香さん(33)=新地町=が、夫の大将(だいすけ)さん(38)と共に2年前から準備してきた。春香さんの実家跡そばの畑約20アールに、養液を使った鉢植え500鉢を並べている。ブルーベリーは19品種あり、来場者は熟した実を摘んで、その場で味わった。爽やかな甘酸っぱい味に笑顔を見せていた。
井田川地区は小高区南部の沿岸に位置し、震災の津波で壊滅的な被害を受け、多くは災害危険区域に指定されている。農園周辺は津波被害を受けた田んぼなどが手つかずの状態で残っている一方で、農地の基盤整備が進んでいる。春香さんは来場者に、震災被害の現状と復興の様子も伝えている。
「ぴぽぱ」は予約制。