東京電力福島第一原発の処理水海洋放出計画で、東電は4日、海底トンネル掘削など放出設備の本格的な工事を始めた。来年春ごろの放出開始を目指している。ただ、気象や海の状況次第で工事が遅れ、施設完成や放出開始が夏ごろにずれ込む可能性があるとしている。
初日は午前7時ごろに作業を始めた。処理水を沖合約1キロで放出する海底トンネルの工事では、シールドマシンと呼ばれる機器で海底の地盤を掘削した。処理水を移送する配管の土台の敷設なども進めた。
海洋放出方針を巡っては、原子力規制委員会が7月に計画を認可。県と原発立地自治体の大熊、双葉両町が2日、着工了解を東電に伝えていた。