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思い出の品9万2000点 津波遺留品を展示・返還 福島県いわき市

2022.08.12 09:25
会場には色あせた家族写真やアルバムなど多数の思い出の品が展示されている

 東日本大震災の津波で流出し、回収されたが持ち主不明となっている家族写真など「思い出の品」(津波遺留品)の展示・返還事業が11日、福島県いわき市の鹿島公民館で始まった。震災から11年5カ月が経過する中、市民がかつての思い出を求めて来場した。

 震災後に市内沿岸部で見つかり、市が保管している写真やアルバム、バッグなど約9万2000点が並ぶ。このうち9割超の約8万8000点が写真。個人が特定できない品物は、関連するエピソードの聞き取りや身分証の確認を経て返還する。

 会場を訪れた市内の80代男性は、小学校教諭だった亡き母が写った学校のアルバムを見つけ、引き取った。「実家は震災の津波で全壊し、全て流された。何も残っていなかったので見つかって良かった」と話した。

 期間は17日まで。開館時間は午前9時30分~午後7時30分まで。思い出の品を管理する、いわき震災伝承みらい館の箱崎智之副館長は「震災の風化が進む。この機会に一度、足を運んでみてほしい」と話している。

 展示期間終了後も市内のいわき震災伝承みらい館で返還を続ける。