福島県飯舘村蕨平(わらびだいら)行政区に整備される木質バイオマス発電施設「飯舘みらい発電所」の安全祈願祭は20日、現地で行われた。月内に本格着工し、2024(令和6)年春の運転開始を目指す。東京電力福島第一原発事故発生後、滞っている浜通りなどの森林再生を後押しする。
発電所は熊谷組、神鋼環境ソリューション、東京電力ホールディングス、東京パワーテクノロジーが出資する飯舘バイオパートナーズが整備、運営する。
安全祈願祭には約80人が出席した。杉岡誠村長と梶山雅生飯舘バイオパートナーズ社長がくわ入れをした。杉岡村長は「県全体の復興や脱炭素化に寄与する施設となる」とあいさつした。
発電所の敷地面積は約2ヘクタール。地元雇用を含め、20~30人が業務に当たる予定。村を中心とした被災市町村の間伐材や樹皮などを年間約9・5万トン使用する。発電量は一般家庭約1万7000世帯の年間消費量に相当する約5千300万キロワット時に上り、東北電力に売電する。国の福島再生加速化交付金を活用して整備し、総事業費は約100億円。