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漁業継続へ新基金創設 政府方針 処理水処分の行動計画を初改定

2022.08.31 09:33

 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に伴う影響が懸念される全国の漁業者の支援に向け、政府は将来にわたる持続可能な漁業を実現するための新たな基金を創設する方針を固めた。政府が風評被害対策で既に設けた300億円の基金とは別枠とする。30日の関係閣僚会議で処理水処分に向けた行動計画を初めて改定し、全国の漁業者の事業継続対策を追加した。

 行動計画の改定で、対策項目に「長期にわたる処理水の海洋放出に伴う水産業における影響を乗り越えるための施策」を加えた。生産コストの高騰など環境変化が生じた場合でも、漁業者が将来にわたって安心して漁業が継続できるための支援を念頭に置いている。「政府は基金により持続可能な漁業の実現に向け、持続可能な対策を講じる」と記した。

 西村康稔経済産業相は30日の記者会見で、全国の漁業者支援について「新たな基金を創設するべく取り組む」と明言した。政府は2021(令和3)年度補正予算で300億円を計上し、風評被害対策として水産物を一時的に買い取る事業などに活用できる基金を設けているが、これとは別の基金との考えを示した。ただ、基金の規模について明確な発言はなかった。

 経産省は2023年度予算概算要求で、新たな基金を含む施策について金額を明示しない「事項要求」としており、どれだけの予算を確保できるかは今後の調整となる。

 全国漁業協同組合連合会(全漁連)は、政府による風評被害対策とは別に、全国の漁業者が漁業を継続できるよう燃油の調達などを支援する超大型基金の創設などを打ち出すよう国に求めていた。