東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域のうち、来年3月の避難指示解除を目指す福島県浪江町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)で1日、住民の準備宿泊が始まった。県内6町村に設定されている復興拠点では葛尾村、大熊町、双葉町、富岡町に続き5例目。
宿泊に合わせ、政府は同日、復興拠点の立ち入り規制を緩和した。町内津島地区のつしま活性化センターで防災・防犯出動式が行われた後、午前9時にゲートを開放し、パトカーや消防車が拠点内のパトロールに向かった。吉田栄光町長は「数え切れない苦労をし、1日も早い復興を願ってきた町民にとって大きな前進だ。今日を新たなスタートとし、復興を前に進めていきたい」と語った。
町内の復興拠点は室原、末森、津島3地区の計661ヘクタール。町によると、準備宿泊の対象は1日現在、305世帯833人で、2世帯4人が申し込んだ。