東京電力福島第一原発事故に伴い、役場機能ごと避難を続けていた福島県双葉町は2日、同県いわき市東田町のいわき事務所での主要業務を終えた。9年以上慣れ親しんだ事務所を離れ、町内のJR双葉駅前に完成した新庁舎で5日から業務を開始する。
町職員は最終日の仕事を終えると、事務所内の書類や事務用品などを段ボールに詰め込み、パソコンの梱包(こんぽう)作業などに当たった。3、4の両日で引っ越しを行う。
町役場の機能は埼玉県加須市の旧騎西高から2013(平成25)年6月にいわき事務所に移った。地域の夏の風物詩「なこそ夏まつり」では、町職員がいわきおどりに加わった他、町と縁のある東京のサンバチームがサンバパレードを繰り広げるなど地域住民と交流してきた。
伊沢史朗町長は「地域に温かく迎え入れてもらい、本当に感謝している。この場所に残る町民も多い。今後も良い関係を続けていきたい」と述べた。