知事選に立候補した内堀雅雄、草野芳明の両候補は13日、福島市で第一声を上げた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興、地方創生に向けた政策などを有権者に訴え、選挙戦をスタートさせた。(届け出順、敬称略)
◆内堀 雅雄(うちぼり まさお)候補 58 無 現 知事
「全身全霊で、復興と地方創生のため、挑戦をシンカ(進化・深化・新化)させ続けていく」。福島市のさんかく広場でマイクを握り、2期8年間の実績を基盤とした県政運営の継続による課題解決を訴えた。
震災と原発事故による複合災害、台風や地震、大雨などの度重なる自然災害、急激な人口減少への対応を重要課題に挙げ、使命感を持って実効性のある対策を講じる姿勢を強調した。
「福島県の定義を震災と原発事故の『被災の地』から『希望の地』、『復興の地』に変えたい」と復興政策の推進を掲げた。県民が誇りを持って古里復興に取り組む姿を「ふくしまプライド」として発信する重要性を示し、挑戦を続けることで未来を創り出すと決意を誓った。
◆草野 芳明(くさの よしあき)候補 66 無 新 団体役員
福島市のJR福島駅東口に止めた選挙カーの上から訴えた。福島第1原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出に反対すると主張し、「県民と共に方針に待ったをかけたい」と声を張り上げた。
海洋放出を巡り、現県政は東電の放出設備の本体着工を了解し、国に理解醸成を求めるなど事実上方針を容認していると批判。広域遮水壁を整備して地下水が原子炉建屋に流れ込むのを防ぐ構想を掲げ、処理水の陸上保管を継続すると唱えた。
県立高の社会科教諭を38年間務めた経験から59市町村の学校給食費の無料化を実現させるとした。高齢者の移動手段確保にも努めとし、「若者からお年寄りまでがいきいきと暮らせる福島をつくる」と力を込めた。