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「若き一票」増やそう 福島県知事選で各選管委 投票率向上に力 高校に移動投票所

2022.10.20 09:49
移動期日前投票所で投票する須賀川創英館高の生徒=19日午後

 30日の福島県知事選投票日に向け、県と市町村の選管委は若者の投票率向上に躍起だ。須賀川市選管委は車内で投票ができる「移動期日前投票所」を市内の高校に初めて開設するなど若者が投票しやすいよう工夫を凝らす。福島大の学生は学内の図書館に初めて選挙に関するコーナーを設け、学生に興味を持ってもらうよう取り組む。関係者は「貴重な一票を無駄にしないでほしい」と願う。

 須賀川市選管委は19日に市内の須賀川創英館高に移動期日前投票所を設けた。生徒らが友人とともにバス車内の投票所に足を運び、一票を投じた。

 同校によると、214人いる3年生のうち、選挙権を持つ市内在住の生徒は約80人。このうち19日は約20人が投票に訪れた。佐久間唯斗さん(18)は「投票が学校でできる分、勉強などのために時間を有効に使うことができる」と受け止めた。

 この日投票した約20人の他、既に投票していた生徒や今後親と一緒に投票に行くという生徒もいるという。

 市選管委は20日以降も市内の高校などに移動期日前投票所を設ける。室井宏市選管委員長は「啓発だけでなく、投票の利便性を高める取り組みにも力を入れていきたい」と語った。

 県選管委によると、国や県の選挙では、2018(平成30)年の知事選から移動期日前投票所が設けられている。県選管委は市町村選管委に対し、地域の実情に応じて移動期日前投票所を設置するように呼びかけている。南相馬市選管委も市内の高校に移動期日前投票所を設け、若年層の投票率向上を目指している。

 ただ、移動期日前投票所開設には市町村選管委が職員らを配置する必要がある。県選管委事務局の佐藤みゆき次長は「運営側の人員確保などで開設が進まない側面もあるのではないか」と分析した。 大学生ら若者による啓発活動も進んでいる。


 福島大の学生サークル「福大Vote(ボート)プロジェクト」は近く、学内の図書館に選挙に関するコーナーを初めて設ける方針だ。政治や選挙に関する本や知事選のチラシなどを置き、学生の関心を高める。

 学生を対象に、選挙をテーマにしたワークショップも開く予定。プロジェクトの関谷康太さん(食農学類2年)は「投票する小さなきっかけになればうれしい」と期待する。

 県選管委県中地方事務局は23日に郡山市の郡山北工高で開かれる文化祭で、来場した保護者に啓発グッズを配布する。保護者から18歳の生徒に投票を促してもらう考えだ。

 県選管委会津地方事務局は23日から会津地域のマスコットキャラクターを動員し、管内で活動を繰り広げる。「ゆるキャラ」を通じて高校生らに興味を持ってもらう作戦だ。