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福島県知事に内堀雅雄氏3選 無所属新人に大差 投票率は過去2番目に低い42・58%

2022.10.31 00:35
3選を果たし、支持者と万歳する内堀氏(前列中央)。左隣は栄子夫人。右は管野啓二総合選対本部長

 任期満了に伴う第22回知事選は30日、投開票され、無所属の現職内堀雅雄氏(58)=自民、公明、立憲民主、国民民主各党の県組織支援=が57万6221票を獲得し、団体役員で無所属の新人草野芳明氏(66)=共産党推薦=を大差で退け、3選を果たした。12年ぶりに現新一騎打ちとなった選挙戦は盛り上がりを欠き、投票率は過去2番目に低い42・58%だった。3期目の任期は11月12日から4年。

  ◆福島県知事選開票結果(選管最終)

  当 576,221 内堀 雅雄 58 無現

     77,196 草野 芳明 66 無新

    無効5,816、持ち帰り20、不受理0(敬称略)

 2014(平成26)年から2期8年にわたり東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興、相次ぐ大規模災害からの復旧、新型コロナ対策、人口減少対策などをけん引してきた内堀県政の継続を有権者は選択した。投票した県民の9割近くから信任を得て、内堀県政は3期目に入る。

 内堀氏は6月定例県議会冒頭で3選を目指して立候補する意向を表明した。自民、公明、立憲民主、国民民主各党の県組織が、与野党相乗りの「オール福島」態勢で支援。連合後援会をはじめ、農業や商工業、建設業、医療などの関係団体、連合福島などと幅広く連携し重厚な組織戦を展開した。選対組織の幹部には各界の重鎮が顔をそろえ、企業・団体からの推薦状は約880に上った。

 ただ、2014年、2018年の過去2回の知事選とは異なり、非共産の「オール福島」態勢から今回初めて、社民党県連が離脱した。福島第1原発の処理水海洋放出や原子力政策などを巡る内堀氏の政治姿勢を批判し不支持を表明。政党間の協力態勢にほころびが生じた中での選挙戦となった。

 内堀氏は13日の告示後、県内全59市町村を回り、約100カ所で街頭演説に立った。人・暮らし・仕事に焦点を当てた政策を掲げ、幅広い層から支持を集めた。前回より1万票多い66万票の得票を目指したが、約8万4千票届かなかった。要因の一つは関心の低さで、有権者約155万人のうち6割近い約89万人が投票を棄権した。リーダーに十分な力を与える投票率とはならなかった。

 草野氏は共産党県委員会や県労連などで組織する「みんなで新しい県政をつくる会」からの要請で9月末に立候補を表明。共産党の推薦を受けて初めて知事選に臨んだ。得票50万票を目標に約160カ所で街頭演説し、処理水海洋放出に反対する姿勢を強調。内堀県政は是非を明確にしていないと批判し、広域遮水壁設置や陸上保管継続などの対策を打ち出した。教育予算の増額や県立高の統廃合見直しなども主張し県政刷新を訴えた。だが、知名度不足は否めず、浸透しきれなかった。