第27回全国報徳サミット相馬市大会は5日、福島県相馬市の市民会館で開かれた。江戸時代の農政家二宮尊徳にゆかりのある全国の市町村から関係者が集い、基調講演やパネルディスカッションを通じて報徳仕法の精神を生かした地域づくりを考えた。
相馬市での開催は2010(平成22)年以来、12年ぶり3度目。実行委員会の主催。尊徳ゆかりの17自治体でつくる全国報徳研究市町村協議会と相馬市、相馬市教委の共催。
立谷秀清相馬市長が基調講演した。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故発生後の市民生活の状況や対応策を振り返り、「市民らの『至誠』と友好自治体からの『推譲』による支援を励みに、復興を進めることができた」と話した。
パネルディスカッションでは杉岡誠飯舘村長ら福島県内外4市村の首長がパネリスト、立谷市長がコーディネーターを務め、報徳の思想を生かした地域創生や教育など各自治体の取り組みを話し合った。
最後に、尊徳の教えを柱に「心豊かなひとづくり」「次世代が希望を持てるまちづくり」などに努めるとする大会宣言を決議。立谷市長が来年度開催地の静岡県御殿場市の富尾信司副市長に二宮尊徳像を手渡した。