福島県南相馬市博物館の企画展「倉科光子植物画展 ツナミプランツ―津波浸水域の植物たち―」は21日、開幕する。3月12日まで。
東日本大震災の発生後、津波の浸水域ではそれまで見られなかった植物が姿を見せた。それらをツナミプランツと名付けて描いている画家倉科光子さん(東京都)の作品14点を紹介する。
細部まで緻密に表現するボタニカルアートの技法で、南相馬市小高区のミズアオイなどを描いた。地面に埋もれていた種が芽吹いた絶滅危惧種、植物がせめぎ合うように生える様子なども題材にしている。
南相馬市の他、相馬市や岩手県などを取材で訪れた。南相馬市博物館が制作に協力した縁で、東北で初めての展示が決まった。2月12日には倉科さんらのギャラリートークを行う。
倉科さんは19日、会場で記者発表に臨み、「植物は意味があって、そこに生えている。意味に思いをはせて作品を見てほしい」と呼びかけた。学芸員の仲川邦広さんは「緻密に描かれた植物は深い洞察をもたらし、震災の生き証人のようだ」と話した。
開館時間は午前9時から午後4時45分(最終入館午後4時)までで月曜休館。入館料金は一般400円、高校生200円、小中学生は100円。問い合わせは南相馬市博物館へ。