X メニュー
福島のニュース
国内外のニュース
スポーツ
特集連載
あぶくま抄・論説
気象・防災
エンタメ

【浜の希望 被災地で挑む 第1部(2)】店舗跡“秘密基地”に 福島県飯舘村 矢野淳さん(27) 松本奈々さん(30)

2023.01.23 09:48
世代や分野を超え多様な人々が集う拠点づくりを進める矢野さん(左)と松本さん

 東日本大震災が起きるまで、福島県飯舘村の中心地で住民の生活を支えてきたホームセンター。震災後、10年以上放置された店舗は今、「環境づくりの秘密基地 図図倉庫(ズットソーコ)」と呼ばれる。村に移住した2人の若者の手で、世代や分野を超えて村内外の人々が集う拠点として生まれ変わった。

 阿武隈山系が白く染まった昨年12月。図図倉庫を運営する地域おこし会社「MARBLiNG(マーブリング)」共同代表のデザイナー矢野淳さん(27)=東京都出身=と元村地域おこし協力隊員松本奈々さん(30)=福島市出身=は、来場者に施設内を案内していた。昨年5月のプレオープン以降、県内外からの視察者が相次いでいる。

 トレーラーカフェをはじめ、有料のシェアオフィス、イベント開催に使えるフリースペース、飯舘や世界の環境課題を考える展示ブース、本ワサビの水耕栽培施設が入るテナントを整備した。

 県道原町川俣線沿いにあり、所有する会社は建物を解体する方針だった。2人は所有会社に直談判し、店舗跡を借り受ける形で再利用が決まった。

 昨年1月にフェニックスプロジェクトに採択されたのをきっかけに、取り組みを加速。図図倉庫を起点に村の環境課題を考えるスタディーツアーの開催を計画している。住民の声を聞き、村の雰囲気を肌で感じてもらい、「飯舘の今」を発信する。旅行業者らと実現に向けた議論を重ねていく。

 矢野さんと松本さんは「図図倉庫はまだ完成していない。今後も未来の地域づくりにつながる場所として育てていきたい」と前を見据えている。


■HAMADOORI13メンバーの応援コメント 飯舘村の良さPRして ワンダーファーム社長 元木寛さん

 私は矢野さんと松本さんに続く3人目のメンバーだという意識で協力している。2人は独創的な感性が魅力。必ず成功させ、飯舘村の良さをPRしてほしい。