東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、福島県富岡町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示は4月1日午前9時に解除される。10日、政府、県、町の3者が町文化交流センター「学びの森」で協議し、合意した。間もなく開花を迎える桜の名所・夜の森地区を中心とした復興拠点の解除日が決まり、復興の加速化や住民帰還が期待される。今後、政府原子力災害対策本部が正式決定する。
3者協議は非公開で行われた。山本育男町長が解除日を提案し、政府原子力災害現地対策本部長の太田房江経済産業副大臣、鈴木正晃副知事が同意した。
山本町長は協議後の記者会見で「今年は桜の開花が早く、できるだけ早い解除を願う町民の思いに応えた」と4月1日にした理由を説明した。夜の森地区が良好な住宅地で、町の宝である桜並木がある点を挙げ、「安全で安心して生活できるための環境整備や復興支援を国、県と進め、多くの人が帰還されるのを望む」と強調した。
町は震災前まで夜の森地区にあった温浴宿泊施設「リフレ富岡」跡地に、健康増進施設を建設し、買い物できる環境も整える。
復興拠点は夜の森地区を中心とする計390㌶。1日現在、1143世帯、2580人が住民登録している。