改正公選法の施行による区割り改定に伴う衆院福島県選挙区の候補者調整を巡り、自民党は14日、新3区の支部長に現職菅家一郎氏(67)=当選4回、比例東北=を選んだ。地盤とする会津地方での支持者の多さなどを踏まえ、決定した。一方、県南地方が地盤の現職上杉謙太郎氏(47)=当選2回、比例東北=は県衆院比例区支部長とし、次期衆院選の比例東北で優遇措置を取る。党県連は県内全ての小選挙区で支部長が決まったのを踏まえ、体制づくりを加速させる。
茂木敏充幹事長と森山裕選対委員長が同日、党本部で菅家、上杉の両氏、党県連の根本匠会長と西山尚利幹事長に次期衆院選の公認候補予定者となる新3区支部長の決定を伝えた。
菅家氏が選ばれた理由について、森山氏は「主な地盤が会津であったことが大きい」とし、県南と比べて会津の有権者数が多いことなどが判断基準になったと説明した。菅家氏は記者団の取材に、「福島の復興の加速、会津の課題の解決だけでなく、県南の要望の実現に向けて上杉氏と連携して取り組んでいく」と語った。
党県連は選挙区支部長から外れた議員も比例で優遇するよう求めていた。県衆院比例区支部長となった上杉氏は次期衆院選で比例東北の名簿順位で上位になる見通しだ。一方、茂木氏らから次々回以降の支部長の方針について言及はなく、次期衆院選後に再調整されるもようだ。上杉氏は記者団の取材に、「菅家氏が当選できるよう県南の皆さんの理解を得ながら活動していく。県内の党選出議員全員の当選を目指し、力を発揮したい」と話した。
自民党の新3区の候補者調整を巡っては、県内の意向調査で菅家、上杉の両氏をそれぞれ推す声があり、県連が党本部に決定を一任していた。
党本部は既に新支部長として新1区に現職亀岡偉民氏(67)=当選5回、比例東北=、新2区に現職根本匠氏(72)=当選9回、旧2区=、新4区に現職吉野正芳氏(74)=当選8回、旧5区=をそれぞれ選んでおり、候補者調整は県内全選挙区で完了した。根本党県連会長は「県連の意向を考慮した決定と理解している。常在戦場の心構えで体制を固め、選挙に臨みたい」と述べた。