東日本大震災の影響で、入山が制限されていた福島県須賀川市長沼地区の高土山(たかどやま、729メートル)で4月23日、13年ぶりに山開きが行われる。農業用ダム「藤沼湖」の決壊で甚大な被害を受けた地域。地元住民らが登山者を迎える準備を進めている。
山開きは地区内の三世代交流館前で実施し、安全祈願祭などを予定している。震災からの復旧に注力し、登山道の手入れなどができず、2010(平成22)年を最後に登山客を迎え入れるための山開きは中止してきた。
昨年、市や地元住民らが安全な登山ルートを選ぶなど山開きに向けて取り組んだ。高土山の国有林を管理する国から登山者の入山許可が下りた。昨年9月には復興を祈願する催しの一環として登山客を受け入れた。
地元住民らは登山者が登りやすいよう、登山道の出口などに木製の階段を新たに整備。16日には登山道や山頂部の草刈りを行った。地元ボランティア団体「遊水会」の八木沼久夫さん(68)は「地域がさらに活気ある場所になるよう、助けになりたい」と語った。