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福島国際研究教育機構発足 高専と連携し技術者育成 機構への就職促す 福島県復興へ期待

2023.04.02 09:23
福島国際研究教育機構開所式で看板の除幕をする(右から)渡辺復興相、岸田首相、山崎理事長、内堀知事、太田経産副大臣、吉田浪江町長

 政府は1日、福島国際研究教育機構(F-REI、エフレイ)を設立した。初代理事長に前金沢大学長の山崎光悦氏(71)が就任した。世界最先端の研究開発や産業化、人材育成を担い、「創造的復興の中核拠点」として福島県復興や日本の科学技術力と産業競争力の発展に貢献する。同日、機構本部の仮事務所を構えた浪江町ふれあい福祉センターで開所式を行った。岸田文雄首相らが出席した。


 国家プロジェクト「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」の実現に向け福島国際研究教育機構と福島高専は、機構で活躍できる技術者を連携して育成する。1日、いわき市の同校で連携協力基本合意を締結した。機構が高等教育機関と基本合意を結ぶのは初めて。

 高専の研究施設を機構の研究者が利用できるようにするほか、機構の研究に専攻科の学生が参画する機会を設け、卒業後の機構への就職を促す。機構と連携する大学院への進学も支援し、高度な専門人材の育成、産業界への定着を目指す。最先端の研究開発と産業化を目指す機構、高度な技術教育を行う高専専攻科を密接に結び付けることで、機構の中長期的な研究活動に不可欠な技術者を育成、確保する狙いがある。

 基本合意に基づき、機構の山崎光悦理事長は9月末、高専で本科3年生を対象にトップセミナーを開き、機構やイノベ構想への関心を高める。地元の小中学校・高校で出前講座を展開していく構想もある。

 調印式で山崎理事長と田口重憲校長が合意書を交わした。岸田文雄首相、内堀雅雄知事らが立ち会った。

 機構は①ロボット②農林水産業③エネルギー④放射線科学・創薬医療と放射線の産業利用⑤原子力災害に関するデータや知見の集積・発信|の5分野を研究テーマに掲げる。高専は5年間の本科を終えた学生が進む2年間の専攻科に①生産・情報システム工学②エネルギーシステム工学③化学・バイオ工学④社会環境システム工学⑤ビジネスコミュニケーション学|の5コースを設けている。

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 福島国際研究教育機構は5日、福島医大と連携協力に関する基本合意を締結する。