東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地で食産業を支援する「東の食の会」は、福島県浪江町のコミュニティ実験農場「なみえ星降る農園」で試験栽培していた野菜「ビーツ」3種類をブランド化する。「ゴルゴ・ナミエ」「月と太陽」と名付けて町内外で販売し、おいしさや安全性をPRする。今月下旬にも本格栽培を開始し、町の新たな名産野菜を目指す。14日、東の食の会が発表した。
ゴルゴ・ナミエは、ゴルゴというイタリア発祥の品種に名称を付けた。断面が鮮やかな赤色の渦巻き模様が特徴で、サラダやピクルスに使われている。月と太陽はルナ、ソーレという2種類の品種を組み合わせて命名した。ルナはイタリア語で月、ソーレは太陽を意味する。フランス料理などのソースの材料としても使用されている。
なみえ星降る農園に種を植え、順調に育てば夏に収穫する。販売のほか高級レストランにも売り出し、品質の良さを幅広く発信する計画だ。ブランド化に伴い、ロゴも作成した。東の食の会専務理事・浜通り地域代表の高橋大就さんは「国内外に知られる食のブランドを浜通りからどんどん生み出していく」と意気込む。
町内北幾世橋にあるなみえ星降る農園は、今月下旬に町内樋渡にも新農園が開園する。ビーツは新たな農園で育てていく。ビーツは現在の農園が開園した2021(令和3)年から試験的に手掛けていた。一部に出荷し、好評を得ていたため、ブランド化を決めた。
東の食の会は、福島民報社など地方新聞46紙と共同通信による第13回地域再生大賞で、きぼうのまち賞に選ばれた。