東京電力福島第1原発1号機の原子炉格納容器の内部調査で、東電は14日、原子炉圧力容器を支える土台「ペデスタル」の内側の壁を撮影したパノラマ画像を公開した。ほぼ全周で損傷し、鉄筋がむき出しになっていることが新たに判明した。今後、東電は土台の耐震性を評価する。
東電は3月に土台の開口部付近と内側の様子を水中ロボットで撮影した。これまでの分析では土台の広範囲で壁のコンクリートの損傷、鉄筋の露出を確認したが、ケーブルの不具合で撮影を見送った南側は分析できていなかった。今回、遠距離から南側を撮影した映像を解析したところ、既に損傷が確認されていた部分と同じ状態であることが分かった。
内部調査の結果を受け、東電は厚さ1・2メートルの壁の約半分が消失しているとの条件で土台の耐震性を評価する。評価には数カ月程度かかる見通し。
東電はこれまで、内側の壁がほぼ全周にわたって損傷しているとの認識を示していた。土台の耐震性については、鉄筋が大きく変形していないことや、圧力容器を水平方向に支える構造物が健全であることから倒壊の可能性は低いとみられるとしてきた。