X メニュー
福島のニュース
国内外のニュース
スポーツ
特集連載
あぶくま抄・論説
気象・防災
エンタメ

福島県飯舘村の復興拠点 5月1日避難指示解除 拠点外の公園も

2023.04.16 09:53

 東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、福島県飯舘村長泥行政区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)と、拠点外の一部となる「長泥曲田公園」の避難指示は5月1日午前10時に解除される。政府、県、村の3者が15日、村役場で協議し、合意した。今後、政府原子力災害対策本部が正式決定する。これにより県内6町村に設けられた復興拠点の全てで避難指示解除となる。拠点区域外の解除は初めて。

 3者協議は非公開で行われた。杉岡誠村長が解除日を提案し、政府原子力災害現地対策本部長の太田房江経済産業副大臣、鈴木正晃副知事が同意した。

 杉岡村長は協議後の記者会見で、解除日を5月1日とした理由ついて「生活環境整備が進んでおり、住民が大型連休の早い時期の解除を希望していた点などを総合的に勘案した」と説明した。村として帰還困難区域全域の解除を目指すと強調。「農業復興やインフラ整備などに向けた支援を国や県に求めていく」と述べた。

 復興拠点は約186ヘクタール。短期宿泊や交流のための集会所、公衆トイレなどを整備した。環境省により、除染土壌を農地造成に再利用する事業が進められている。1日現在、62世帯197人が住民登録している。今後、居住人口の増加や住民による円滑な営農再開などが課題となる。

 拠点外の長泥曲田公園は約0・64ヘクタールで、空間放射線量を定期的に測定し、低減の推移を確認する。長泥行政区の復興・再生の取り組みを発信する場所としての役割も担う。公園までの道路も避難指示が解除されるため、自由に往来できる。1日現在、拠点外全体で10世帯29人が住民登録している。